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「きょうの猫村さん」

『きょうの猫村さん 1』、ほし よりこ (著)、マガジンハウス、2005年7月

「生協の白石さん」と一緒に、空港で買いました。札幌に着くまでに読み終わってしまいましたΣ( ̄□ ̄;)!!
もっと、時間かけて楽しもうよ、オレ。

外国に行ってしまった「ぼっちゃん」に会いに行くお金を貯めるために、家政婦となる猫の猫村さん。
初めて家政婦として行ったお家にはいろんな事情があって…。と言う話なのですが、猫村さん可愛いなあ。
そして、猫村さん特製の、「ネコムライス、目玉焼き付」を是非食べてみたいです。

by 丁稚  at 17:55  | Permalink  | Trackbacks (0)

生協の白石さん

『生協の白石さん』、白石 昌則 (著), 東京農工大学の学生の皆さん (著)、講談社、2005年11月

札幌へ向かう空港の本屋さんで買ってしまいました。
「きょうの猫村さん」と一緒に。そして、飛行機の中で読み終わってしまいましたΣ( ̄□ ̄;)!!
もっと時間をかけてゆっくり読むつもりだったのに…。バカバカ!俺のバカ!

いや、白石さんて、器の大きい人だなァ。
手前だったら、生協とは全く関係の無いものが来たら、絶対キレてますね。

そうではなく、真摯に応えてて、すごく自分が矮小な人間に思えました。こんな人みたいになりたいなと。
受け答えとか、読んでて癒されます。
どんな質問でも受け答えしてくれてなかったら、こういう人も居るんだって思わなかったかもしれませんし、癒されると思う事も無かったので、こう言う事を言うと本末転倒ですが、願わくば今後は生協に関係のあるカードの投稿が増える事を祈ります^^;

by 丁稚  at 17:46  | Permalink  | Trackbacks (0)

バッテリー

『バッテリー』
『バッテリーⅡ』
『バッテリーⅢ』
あさのあつこ 角川文庫

友人から、読め、と言われていて中々読む機会がなかったのですが、ふと手にとって読み始めたら、一気に読んでしまいました。
確かに、児童文学と言われると凄く違和感がある気がします。
これは、児童文学じゃないだろうと。

主人公の少年には、ピッチャーとしての才能がある。あるが故にそれでしか会話が出来ない、と言うのでしょうか。
なんか、違うな。凄く、感想を書きにくい本です。上手いレビューとかを書ける人って、本当に尊敬するなぁ。
イヤ、面白かったんですけどね。上手くそれを伝えられない。

読んでて、主人公の葛藤ってのは、わかる気がするんですね。

上手く言い表せない、なんて言って良いか判らない。上手い言葉でストレートに言う事が出来ないって言う。最初は、何て生意気なガキなんだ!って、これが主人公かよって思ってたんですが。巻を重ねるごとに、野球だけ出来れば良いやって言うだけでは、解決できない事が増えてきて、野球だけに没頭できない事を悩んでる所も出てきて、彼は、不器用な子なんだなぁって。
うーん、不器用ってのも違うかなぁ。でも、あえて言うなら不器用なのかな。
しかも、彼の考える野球と、他の人が考える野球ってのが、また意味が微妙に食い違ってる所が

これからそれをどうやって乗り越えるのか、怖いもの見たさって言うのもあるのですが、楽しみにもなってきました。
4巻が出てるはずなので、早く読みたいです。

何と言うか、空回りしちゃうって言うか、不安と言うか、どうしたら良いのか判らないそ、って言う時期みたいなのが、多かれ少なかれ誰にでもあると思うのですが、それを割りに簡単に乗り越えられる人も居れば、あがいてもなかなか乗り越えられない人も居るわけで。
乗り越えるって言うのが正しい表現なのかわかりませんが。
主人公には、ピッチャーとしての才能があって、野球をする事で一時期忘れる事も出来るけど、人によっては、暴力に傾いちゃう事もあるんじゃないかと。
ちょっとそんなことを思いました。

by 丁稚  at 00:20  | Permalink  | Trackbacks (0)

柳生忍法帖

柳生忍法帖を読み終わりました。
『柳生忍法帖(上下)』、山田風太郎、講談社新書(ヤK-23・24)、2005年8月。

会津の暴君藩主、加藤明成は、叛旗を翻した堀一族の男達を虐殺。その復讐を誓う一族の女性七人に対し、藩主には芦屋一族と言う遥か昔から会津に根付いてきた豪族が、家来として仕えていた(堀一族とは反目している)。しかも、恐るべき武術を使う彼らの前では、半端な技術では太刀打ち出来ない程の強さ。
一方、彼女たちの後ろ盾となった、柳生十兵衛と沢庵和尚。柳生十兵衛は、女性たちを鍛え上げ、彼女たちの復讐を手助けする。果たして、彼女たちの復讐は果たされるのか…?と言うストーリーなのですが、この藩主が、話が進んでいくにつれて、だんだんと傀儡藩主となり、言動も情けなくなっていく…^_^;まあ、それも芦屋一族の陰謀による物だったりするわけなんですが。

イヤサ、柳生十兵衛カッコイ~~~(≧∇≦)
こう言う強くて豪快で、不敵なキャラクターは大好きです。んで、勘当されたお父さん(柳生宗矩)が大の苦手って言う弱みもあったりなんかして。あ~、柳生十兵衛ものを漁りたくなって来た(←これが萌えを見つけたヲタのヲタたるが故の行動…^_^;)。

それにしても、山田風太郎さんはやっぱり面白いなぁ。久々に魔界転生を読み返したくなってきました。今は、映画「SHINOBI」と言う題名で上映中(?)の「甲賀忍法帖」を読んでいます。
今度は、徳川家康、服部半蔵、柳生宗矩が出てきます。まだ読み始めたばかりなので、色々な感想はまだこれからって所ですが、楽しみに読もうと思います。
甲賀忍法帖は、「バジリスク」って言う題名で漫画にもなってるんですね。同じ作者が柳生忍法帖も書いてるみたいなので、探してみようかな。

by 丁稚  at 14:48  | Permalink  | Trackbacks (0)

邪馬台国はどこですか?

『邪馬台国はどこですか?』、鯨 統一郎、創元推理文庫、1998年。

舞台は、カウンター席だけの地下にあるバー。
そこに集う客達の間で歴史の真相について激論が交わされると言う短編集。

標題の邪馬台国が何処にあるのか、と言う考証から、仏陀は悟りを開いたのか、本能寺の変は何故起こったのか。聖徳太子の正体は…?

など。ジャンル的には歴史ミステリなのですが、所謂「事件が起こって、探偵もしくは探偵役がその謎を解く」と言う推理小説ではなく、歴史上の謎、あるいは一般的に信じられている事象のアラを突き、真相(?)を解く、と言う「世界の七不思議の謎を追う」的なミステリなのですね。

所謂ミステリなら、探偵役、敵対(あるいはボケ役?)の刑事役、そして巻き込まれる第三者と役者は揃って居て、そこで語られる考証は手前の貧弱な歴史知識をノックアウトしてくれます。知識の無さから納得しがたいところも無くは無いのですが、細かな考証を語るその口調に思わず信じかけてしまいます。

って言うか、一応実証はされてない、あるいはまだ確固たる確証は得られてないんですよね?一応。
イヤ、けして嘘と疑っている訳ではありませんが、迂闊に信じるとガセビアになりそうで、一応警戒中の姿勢をとっておこうかと…^_^;

自分の中にある歴史の知識を揺さぶられたい方は、是非ご一読を。
手前的にはかなり面白かったです。姉妹編が出ているとの事なので、そっちも読んでみようと思っています。

by 丁稚  at 23:59  | Permalink  | Trackbacks (0)

銀河帝国の弘法も筆の誤り

『銀河帝国の弘法も筆の誤り』 田中啓文、2001年、ハヤカワ文庫

作者の短編集なのです。
え~~…。感想が実に言いにくい本で^^;

表題作もさることながら、全編駄洒落、及び悪趣味でかつ執拗な表現がちりばめられた作品なのです。

と書くと、いらぬ偏見を与えてしまいそうなので、もう少し何とか訂正してみます。

え~、この短編集は、作品を作る上での設定として悪趣味な、つーか汚い物を題材にしてそれを、執拗なまでに精緻な表現でこれでもかと書き込み、更に駄洒落をちりばめながら描くと言うのは、…むにゃむにゃ、ブツブツ…。

やっぱり正確には何とも書きようが無いんじゃー!

エエと、純粋なSFファンとか、スペースオペラチックな作品が好きな人には、あまりオススメ出来ないかと…。
どーしよーもない駄洒落が好きな方、作品を笑い飛ばせる余裕のある方にはオススメです。
ストレスたまってて、もうどうしようもない人は、読んでみてください。読後の何ともいえない脱力感が素敵です。でも、余りの脱力感に寝込んでしまい、社会復帰できなくなっても当方責任持ちません。
怖いもの見たさの方、後悔しても当方責任を持ちません。
払った値段分だけ充実感を求める方は、間違いなく怒り心頭、代金返しゃぁがれ!と、本を床に叩きつけたくなること必須です。

ちなみに、手前はこう言うしょーもない駄洒落作品……

大好きです。

by 丁稚  at 22:07  | Permalink  | Trackbacks (0)

我輩はカモである

『我輩はカモである』 ドナルド・E・ウェストレイク 池 央耿 訳、早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)、2005年

私ことフレッド・フィンチ、年齢31歳。職業はフリーランスの調査士(作家などいろいろな人の依頼を受けて、資料を探す)。恋人なし、つか相手にされない。猫背、メガネ、ハゲで、ちょっと腹の出始めたサエナイヤツ。
つつましく、ひっそりと暮らす独身のハズが、何処が気に入られたか、ありとあらゆる手口の詐欺にカモられ、金を巻き上げられていく、マサにクタクタネギのネギダク、カモ徳盛り状態。
それがひょんな事から、知りもしなかった叔父から30万ドル(日本円で言う所の、3千万円…位?)の遺産を相続した事から、見向きもされなかった女性が近づいてくるわ、隣人のみならず、ありとあらゆる会ったことも無い親戚から金を狙われるわ、挙句に命まで狙われるたりなんかして。おまけに、今までと変わらず小額詐欺にも遭い続け…。

『って、やってられるかぁっ!』

と命が掛かった事で、被害妄想&人間不信になりながら、ナントカ命を狙われた謎を解くと言うお話。

題名だけで買ってしまったのですが、もう主人公がイタイ位に詐欺に遭いまくってて、しかも暫くした後にそれに気づくが、もう後の祭り状態で…。
しかし、その手口を読んでいる手前も、

ちょっと怪しいなぁ~…。

あれ、もしかしたら詐欺じゃないかも…?

何だ詐欺じゃなかった~。オレッちのお馬鹿さん。人をあんまり疑っちゃダメじゃん。


…って、えええええ~~~?!詐欺だったのぉ~?!

と、一緒になって騙された挙句、気が付いた主人公に気がつかされると言う…。
これって、作者が上手なんですよね?きっと<イヤ、騙されやすいだけかも…。

それにしても、この題名、よく訳したなぁ。原題をそれらしく捻くった題より、こっちの方が話の流れをよく出してて、面白い!久々に良い邦題に出会いました<エラそう…^_^;
因みに原題は「GOD SAVE THE MARK」。 GOD SAVE THE QUEENのモジリかな…。え、違う…?

by 丁稚  at 23:48  | Permalink  | Trackbacks (0)

女子大生会計士の事件簿

『女子大生会計士の事件簿』、2002年
『女子大生会計士の事件簿 2』、2003年
『女子大生会計士の事件簿 3』、2004年
『女子大生会計士の事件簿 4』、2004年
山田 真哉、英治出版

会計士補の僕こと、柿本一麻と現役女子大生で公認会計士の藤原萌美が「監査」がらみで起こる事件を解決する話。会計士とは、会計とは、監査とは何たるかをミステリ仕立ての小説を読みながら基礎知識を取り込める本。
公認会計士、監査法人、会計、監査と言った事柄の基礎知識を、楽に知りたい人にオススメ。特に興味が無くても、読み物としてもなかなか面白いと思います。

筆者は現役の公認会計士と言うだけあって、実務についての雰囲気が良く出ていると思いました。<もちろん、多少の脚色はあるでしょうが。それを加味しても。

ちょっとした興味から、公認会計士ってナニ?監査ってナニ?って言う素朴な疑問を解決してくれる簡単な本を探して、Amazonで「会計」とか「監査」で検索したら出てきたので、へぇ~、と思ったのがきっかけですが、手前的には読んでよかったと思っています。

『Bar レモンハート(会計と監査編/公認会計士編)』と言う、これまた関連した内容を紹介する漫画があるのですが、これもその内読んでみようかな。

by 丁稚  at 23:43  | Permalink  | Trackbacks (0)

宿命の囁き

ここ最近読んだ本の三連発でしたが、最後はこれです。

『宿命の囁き [ヴァルデマールの風 第一部]』(上下) マーセデス・ラッキー 創元推理文庫 2003年。

前作『運命の剣』で「天空の鷹」と言う傭兵部隊を率いる隊長、女傭兵ケロウィンが、ヴァルデマール王国ではじめての傭兵部隊となり、数年が経った頃の話です。
主人公はヴァルデマール王国の第一王位継承者でもある王女エルスペスと、「鷹の兄弟」と呼ばれる一族の一人で、以前は魔法使いであったのに、ある事件を堺に自ら魔法を使う事を禁じた青年<暗き風>の二人。
話はこの二人について交互に語られ、終盤でお互いの話が一つに交わり、やっとヴァルデマール年代記が本格的に動き始めるかな~、と言うところで第一部はおしまいです。(早く続きが読みたいぞ!)

この話に入って、厄介な剣であった<もとめ>が目覚め(タルマ&ケスリーシリーズ、運命の剣までは寝てたらしい…)その秘密がいよいよ明らかになって来るのと、「鷹の兄弟」と言う名で呼ばれる一族の秘密(こちらも前作まではほとんど記述がなく、不思議な存在として書かれていました)が明らかにされて行きます。

う~~、今後の展開が気になる。早く出してくれないかなぁ。
他にも『女王の矢』(社会評論社、だったかな)と言うタイトルで同じ世界を舞台にした話があるのですが、これは在庫なし…。ああん、もう(T_T)

by 丁稚  at 22:26  | Permalink  | Trackbacks (0)

運命の剣

『運命の剣』(上下) マーセデス・ラッキー 創元推理文庫 2001年。

タルマ&ケスリーシリーズ(『女神の誓い』、『裁きの門』、『誓いのとき』)で主人公だった、一族復活を誓う女戦士タルマと、その彼女と「姉妹の絆」を結んだ魔法使いケスリーが、誓い通りに一族の復活を果たした後の話です。
主人公は、ケスリーの孫娘ケロウィンが、傭兵として成功するまでの話。終盤ではある王国の初の傭兵部隊として雇われることになり、また傭兵部隊としては初めて、土地持ちとなるほどの成功(どうしてそれが成功なのかは、その前のタルマ&ケスリーシリーズに詳しく載っている訳で、興味のある方は読んでください。)を収めます。そして、その後の『ヴァルデマールの風』シリーズへと繋がっていく伏線でもあります。

因みに、マーセデス・ラッキーは創元社文庫の『歌う船』シリーズで、アン・マキャフリーと共に『旅立つ船』を執筆。実は、手前が一番好きな作品でもあります。

by 丁稚  at 22:25  | Permalink  | Trackbacks (0)

今日も元気に魔法三昧!

『今日も元気に魔法三昧!』<マジカルランドシリーズ> ロバート・アスプリン & ジョディ・リン・ナイ ハヤカワ文庫(FT376) 2004年。

マジカルランドシリーズの13作目。今回から、ジョディ・リン・ナイとの共同執筆になり、シリーズが暫く続く事になりましたとさ(^o^)丿

ロバート・アスプリンの作品は、別シリーズの「銀河お騒がせ中隊」(←SF)から読んでいるわけなのですが、作者の執筆が遅いのか訳本が出るのが遅いのか、間が簡単に半年くらい開いてしまうので、喜び勇んで買っても、「この前の○○の誰々のように~…」とか言われても思い出せねぇッつの<俺の記憶力の問題か(-_-;)
とは言え、作者の出版社との問題や、執筆自体、訳本の版権問題もあって、色々と時間掛かるんだろうと思います。

今回の話は、前回『魔法探偵社よ、永遠に!』で主人公のスキーヴが「M.Y.T.H」社の社長を辞任してから起こった話、ほか3編を含めた短編集。それぞれ懐かしい(?)キャラクターがその後それぞれの出来事をおなじみの語り口で話が進んでいくと言うもの。

共作になっても、雰囲気が壊れてなくて、やはりクスリと笑えて心が和む一作でした。

次は、『お騒がせ中隊』なのか、また『マジカルランド』なのか、早く出してくれぇ~~。

因みに、ジョディ・リン・ナイは、創元社文庫の『歌う船』シリーズで、アン・マキャフリーと共に『魔法の船』『伝説の船』を執筆。

by 丁稚  at 22:23  | Permalink  | Trackbacks (0)

下妻物語

「下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん」 嶽本野ばら、小学館文庫、2004年4月。

映画の宣伝のインパクトが強かった(ロリータの深田恭子に、ヤンキーの土屋アンナ)のか、余り興味を持っていなかったのですが、最近は余り最初から偏見を持たないようにしようと思っている事もあって、原作を読んでみました。

「ギャグだだもれ」と帯に解説からの一文が載っており、「そんなでもねェだろ」とその辺は余り期待をせず^_^;に購入。←つか、既に偏見まみれ。
だだもれ、とは思いませんでしたが、全編ギャグで結構面白かったです。
ストーリー的にはありがち(←失礼)な感じですが、むしろそれでなければ、登場人物が成り立たない、と言う感じでした。

ちょっと、この奇異な二人を、深田恭子と土屋アンナがどう演じているのか、DVDが出たらこっそり見てみようと思います。←何でって、深田恭子と土屋アンナは誰だかほとんど知らないし、何となく恥ずかしいから^_^;

by 丁稚  at 21:35  | Permalink  | Trackbacks (0)

犬は「びよ」と鳴いていた

台風18号上陸、19号接近中と、観測史上最多上陸となったそうです。
流石に西日本方面の支社は、台風で皆さん業務終了となったそうです。それもそうだな。それを押して仕事やってくれとは、とても言えません。皆さん、無事にお帰りになられましたか?
関東地方は夜から雨のようですが、昼過ぎには、時折激しく雨が降って、すぐにカラッと晴れての降ったり止んだりの天気でした。

「犬は「びよ」と鳴いていた 日本語は擬音語・擬態語が面白い」山口仲美 光文社新書 056 2002年8月

タイトルが面白そうだったので、思わず買ってしまいました。

擬音語は「ほーほけきょー」、擬態語は「きらきら」(本文より)などの言葉がどう言った形態を持ち、発生したのか、どのように発展してきたのか、現代にはどれくらい生き残っているのかを豊富な資料を元に解説している本です。

例えば、昔は犬の泣き声を日本人は「びよ」と聞いていた記述が『大鏡』に出てくる(原文では「ひよ」。昔は清濁の記述が確立されていなかった為らしい)のですが、現在では「わん」、「わんわん」。わんわんと言う泣き声は江戸くらいから出てくるのですが、「びよ」から「わんわん」と言う鳴き声へ、日本人が聞きなした移り変わりは、野犬から飼い犬となった事がきっかけではないか、としています。

手前は擬音語、擬態語を多く混ぜて喋る癖があり、番頭さんや家人からかなり指摘を受けるので、そう言うこともあって惹かれたのだと思うのですが、擬音語、擬態語そのものを深く知ることが出来て面白かったです。

by 丁稚  at 21:20  | Permalink  | Trackbacks (0)

江戸の釣り

「江戸の釣り 水辺に開いた趣味文化」 長辻象平、平凡社新書(179)、2003年4月。

おっと、ヲタな本がやっと出ました。
それにしても、最近趣味が爺臭いような気がするのは、手前だけでしょうか?^^;

江戸に於いて魚を捕まえる事が、生業だけとしてではなく、釣り糸を垂れる遊びの形に発展したのは、四つの条件が揃ったためと著者は言っています。
1)江戸開府により天下泰平となったため
2)仏教思想からの開放(殺生への抵抗感が薄れる)
3)波静かな内湾(江戸湾)に面していた土地柄
4)テグスの伝来
それにしても、テグスが実は○○の△△から出来ていたとは…!!吃驚です。<自分的に面白かったので、敢えて伏せてみる^_^;

この本では、遊びとして成立していく流れを大まかに3期に分類して、紹介しています。
第1期は、江戸開府から、徳川綱吉が五代将軍として就任するまで。天下泰平の世の中で、戦力としての存在から開放されて、時間に余裕のあった武士が、狩猟と並んで武道に近いものとして釣りを始めるようになります。
第2期(生類憐みの令発令頃から)に入って、武士が書いた日記や、釣りを手ほどきする解説書が多く発表されていく事で、遊びとしての釣りが、武士達の文化の中に取り入れられて行きます。
その後生類憐みの令で、表面上釣り文化は途絶します。多くの武士が釣りをした事によって罰せられているからですが、水面下ではその隙間を突くように釣りは武士達の間に深く浸透しました。
第3期には、庶民の間に釣りを遊びとして楽しむ傾向が紹介されます。武士から発生した遊びが、庶民まで浸透すると、かなり普遍化された文化として成立した感があります。
その後、釣りは地方へ拡大し、更には武士の奥方達や、将軍までが釣りをするまでになる、一般的な遊びとして発展していきます。

具体的な道具などにも触れていて、当時の釣り文化の一端を見たような気がします。
簡素な振り出し竿でも持って川に出て、太公望と洒落込んでみたい気持ちになりました。←影響されすぎ

by 丁稚  at 01:18  | Permalink  | Trackbacks (0)

テンダーワールド

「テンダーワールド」 藤木稟 講談社文庫 2004年6月

2001年に既に単行本として出版された同作の文庫版です。
最近「鬼一法眼」シリーズ、「朱雀十五」シリーズから著者の作品を読んでますが、テンダーワールドは全く違う世界で面白かったです。基本的にこう言う世界を舞台にする小説は好きです。

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by 丁稚  at 09:41  | Permalink  | Trackbacks (0)

男振(おとこぶり)

「男振」 池波正太郎、新潮文庫 1978年

久し振りに池波先生の本を読みました。と言っても、剣客商売、藤枝梅安、鬼平犯科帳、真田太平記辺りは、元々家にあり、他にも他社、一冊完結の本などもぽろぽろある状態だと、どれを読んでどれを読んでいないのか、まるで把握できないのですね。重複しないように暫く買うのを自粛していた訳なのですが、たまたま手にとったのがたまたま、読んだ事なかった本だったので、良かったです^_^;

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by 丁稚  at 09:39  | Permalink  | Trackbacks (0)