僅少謹呈江戸言葉

※この情報は参考図書ともに最新のものではありません。多分に個人的な意見が含まれていることもあるかもしれませんのであしからず。

 改めまして、近江屋の出生・お江戸の町へようこそおいでなされました。
 こちらでは、御前様の得心が行かぬたろうこの『中屋敷』内での手前共の言葉を並べてみました。
 些少では御座いますが、微力ながらもお役に立とうかと存じます。
 どうぞご笑納下されませ。

【意気】いき:
 あかぬけていていること。洗練されていて、美しいこと。洒落ていること。深川の岡場所で云われていたものが一般化された。「こりゃァ意気だの」
【お井戸】おいど:
 女言葉。尻。臀部。転じて、肛門。
【御前】おんまえ・おまえ・おまい:
 ①他人に対する敬称。多く「様」を付ける。②目の前の相手を指して云う呼称。特に親しい間柄で使われた。
【禿】かぶろ・かむろ:
 上級の女郎が使った七、八から十二、十三までの子供。引っ込みになったり、振袖新造になってから女郎になる。
【上方】かみかた・かみがた:
 江戸から見て、京阪地方のこと。歌舞伎や寄席など娯楽の多くは上方がルーツ。しかし、それが花開く・開かないかは互いの味をその土壌で醸してからのことだった。「出生(でしょう)は上方でして」
【粋】すい:
 ①遊里の人情・風情などに通じていて、諸事によく気の付いていること。万事を弁えていて、気がさばけていること。通(つう)。また、その人。粋人。「酸いも甘いもかみ分けたってお人だよゥ。粋だァねェ」②→「意気」
【手前】てまえ・てめえ:
 ①自分のこと。俺。私。②相手を指して云う呼称。あなた。お前。
【道具】どうぐ:
 ①物を作ったり、仕事をするときに用いるもの。作業が捗るため、やりやすくするために使う用具。②隠語。男根。「大道具」
【ぼぼ】
 隠語。女陰。
【まぐわう】
 性交する。交合。
【まら】
 隠語。男根。他に「ろでん」など外性器に関する異称は多い。
【吉原】よしわら:
 幕府認可の花街。「男なら一度は」と云われた場所で、芝居町、日本橋河岸と並んで「一日千両の金が動く」と謳われた場所の一つ。葺屋町の元吉原(火事で焼失)と浅草日本堤千束村の新吉原とに分かれるが、多くは新吉原を指す。一般の町屋と画するために周囲に堀を巡らせ、その入り口には大門(おおもん)が聳えていた。大門は唯一の出入り口で、四つ(午後十時)には閉ざされた。様々絵に描かれるが、実際には黒塗りの冠木門。また、門の左側には大番所があって、絶えず同心・与力が出張して見張っていた。盛衰はあったものの独自の贅沢さと華やかさを誇った場所。遊里語「ありんす」言葉は有名。→『問答無用一問一答』
【吉原細見】よしわらさいけん:
 吉原の案内書。大門口にある版元「蔦屋」が出版。茶屋の花魁の名前・遊女屋の名・位付けなどが載っているいわばカタログ。細見売りが売って歩いた。

 ……。始まったばかり。まだまだ更新されます。しかし、ここでも辞書を作る羽目になるとわ……<自滅

参考文献一覧

※網羅出来てないで一部です。ゴメン……(涙)それでも資料の少なさを物語っている……<死

書名 著者・編者 出版社/刊年
江戸語の辞典 前田勇・編 講談社学術文庫/1979
近世風俗志(一~三) 喜多川守貞 宇佐美英機 校訂 岩波文庫/1966-99
江戸文学地名辞典 浜田義一郎・監修 東京堂出版/ 1997
江戸の色道(上・下) 蕣露庵主人 葉文館出版/1996
江戸のかげま茶屋 花咲一男 三樹書房/1992
江戸男色考 色道篇 柴山肇 批評社/1993
江戸男色考 若衆篇 柴山肇 批評社 /1993
武士道とエロス 氏家幹人 講談社現代新書/1995
江戸吉原図聚 三谷一馬 中公文庫/1992
遊女 日本史小百科 西山松之助・編 東京堂出版/1994
江戸のおしゃべり 渡辺信一郎 平凡社新書/2000
川柳 江戸の四季 下山弘 中公新書/1997
江戸の定年後 中江克己 光文社 知恵の森文庫/2000
江戸の遊び方 中江克己 光文社 知恵の森文庫/2000
雑学『大江戸庶民事情』 石川英輔 講談社文庫/1998
一日江戸人 杉浦日向子 小学館文庫/1998

 使用頻度の高いものを取り上げてあります。中には絶版のものも。
 特に石川先生・杉浦先生のものはその著作を多く参考にするのですが、多いので根性なしは「これは!」と思う物しか上げませんでした。
 三田村鳶魚先生のもあるんだけど実は読んでないし……(爆)。
 古典落語と小咄の本もある……。それは後ほど追加しますので、ええ!<滝汗

 実際に百科事典(平凡社)に頼り切りで、手元の辞書も充実してない気も…
するのですが……。誰か『日本国語大辞典』を全巻買ってぇ~<をい

 あ。何度も云うけど、集めたり、まとめたものはあくまでも趣味の域ものです。
 そのため、川柳など出典についての原書・定本には当っておりません。
 ↑だからあれだけ嘘っぱちなものが書ける<をいこら
 学術志向ではないことを(申し訳ないのですが)ご了承下さいませ。
 また、詳しい方がいらっしゃいましたらばご甘受するもよし、助言などをして頂けると幸いです。
 近江屋

 01/01/05 文責:近江屋