其の壱~序文~

 江戸江戸、としつこく言いますが、
『じゃあ、寝床屋が言ってる江戸ッてのは一体どんなもんなのさ。』
と、そうお考えの向きもありやしょう。てな事で、真に勝手ながら一つ申しあげやしょう。

 まず、時代設定としては当たり前ながら、江戸時代でやんす。 どこからどこまでかってェと、一般的な認識といっしょで、 徳川家康が入城した1590年(天正18年)から、大政奉還布告が 行われた1867年(慶応3年)まででやす(いつまでが江戸時代と 言うのはそれぞれあるのでしょうが、いいかげんな丁稚は大政奉還 が江戸時代の区切りと考えてます。あまり深い意味は無いです)。
 寝床屋的ブームとしては、文化の爛熟期であり、さまざまな 現象、流行を巻き起こした文化、文政(1804~1829年)あたりを主に 戯言を並べておりやす(時々時代考証に合わない所もありますが)。
 主な舞台としては、江戸の城下町、郊外の地域ですな。つまり、江戸の城下町 =江戸で、それに郊外までを含めた「御府内」と呼ばれた地域全てが対象 な物ですから、本人たちも舞台が何処に飛ぶやら判りやせん。時代が一緒 なら、江戸に限らなくても良いやと思っているくらいでやすので。
 俗にお江戸八百八町と呼び習わしますが、町割で江戸を判別するのも 時代時代によってその範囲が違ってきますので、これも難しい物でありやす。
 寝床屋的には、お江戸は何処から何処までと範囲を限定して居りやせン。
 何処がお江戸だった、というよりお江戸ではこんな感じに暮らしていたよ、 と言う雰囲気を描くように致して居りやす。

まずは手始め。ここまででご勘弁願いたく仕舞仕り候。

(なるべく文献に当たり誠実に書いているつもりでやすが、 何分門外漢でありやすので、江戸文化及び歴史に詳しい方は、 しょうがねェな、と笑ってお許しくだせェ。またご親切な方は 何卒ご指摘、ご鞭撻を頂きたく申し上げやす。)
文責 丁稚、扇坊。